琉球大学教育学部 教授 濱田 栄作 博士(理学)
琉球大学大学院医学研究科 分子解剖学講座 准教授 清水 千草 博士 薬剤師
「リケジョ」とは、理系女子のこと。かつて理系は男子の進学先というイメージがありましたが、現在は女性研究者の活躍が度々注目を集めています。しかし沖縄本島・島嶼地域(奄美地域を含む琉球列島)では地域性もあり、まだまだロールモデルが少ないため、女子中高生は理系に興味があっても周りの目を気にして言い出せなかったり、保護者世代には「女子に理系は合わない」、「そもそも女子が大学に行く必要はない」というアンコンシャスバイアス(無意識バイアス)が働くケースがあり、女子中高生とその保護者を対象とした教育プログラムが必要と考えられてきました。
そこで琉球大学では、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の支援を受けて理系分野に進学する女子中高生を応援するサイエンスプロジェクト「琉球リケジョ」を6年前からスタート。学校訪問型の出前授業、フィールドワークや研究室での体験授業、理系企業の会社訪問、保護者対象の勉強会など様々なプログラムを行ってきました。保護者が女子の理系進学について一番心配するのは就職先がないのではということ。しかし、例えば農業土木系は公共工事を発注する公務員やそれを受ける大企業と、どちらにも安定した就職先があることを知ると理系という選択肢についての捉え方が大きく変わります。
今回琉球リケジョについお話を聞かせていただいたのは琉球リケジョプロジェクトの中心となっている教育学部教授の濱田栄作先生と、リケジョの先駆けでもある琉球大学大学院医学研究科の准教授 清水千草先生。小学校の頃から理系進学を決めていたものの、大学・学部選択などを含め、あちこち寄り道をしながらかなり時間をかけて今に至ったという清水先生は、「当時リケジョプロジェクトがあればもっと情報がキャッチできたはず」と話されていました。 「自分がやりたいことを口に出して周りに言い続けていると、チャンスが巡ってくることは多々あります。その時は恥ずかしい気持ちがあってもぜひチャンスを掴み取ってください。勇気を持って半歩踏み出したなら、あとは親や先生方が子供と情報を共有し、背中をちょっと押してあげれば1歩になりますから」と清水先生。
国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)
「女子中高生の理系選択進路支援プログラム」