WAO!
学びの基本は驚きと感動
ー学びに自由をー
学びの基本は驚きと感動
ー学びに自由をー
ワオ高等学校 山本 潮 校長
ワオ高等学校は、全国に600校以上展開する学習塾「個別指導Axis」のワオ・コーポレーションを母体とする通信制の高等学校。本校は岡山県にあるが、生徒はどこに住んでいても入学可能。自宅から徒歩0分のバーチャルキャンパスに通学する。半世紀に渡る学習塾の運営で、日本の教育を最前線で見てきたからこそ言える本来の学びの姿とは。
30年前に求められたスキルと
これから求められるスキル
これから求められるスキル
Q.ワオ高等学校(以下ワオ高)の開校の背景を教えてください。
山本 まずは校名の説明からしたいと思います。ワオとは、驚きと感動を表す「ワオ!」のこと。本来学びとは、驚きと感動であるものだというのが我々の考えです。しかし実際日本では受験指導が教育の形になっており、苦しい学びが中心です。考えてみてください。日本は30年前から給料水準が変わっていませんが、欧米各国の給料水準は上がっています。なぜでしょう?他国は成長しているのに、日本は成長していないからです。その理由は日本の教育が変わっていないことにあると考えています。今の子供達が大人になった時、中心となって活躍するスキルを身につけさせてあげるには、教育の仕方を変えなければならない。そういう想いで創ったのがワオ高等学校です。
Q.ワオ高の提唱する教育とは?
山本 30年前の高度成長期に求められたのは「短い時間に正確に物事を処理していくスキル」で、正解を求める教育が必要とされてきました。このような教育の中で日本人の自己肯定感の低さは固着してしまったのです。しかし、そういう時代は終わりました。今は自動車メーカーも、車を作るのではなく、車を使った社会を作る価値創造の時代。もう従来の教育では戦えません。IT技術や、語学力、思考力など、今の時代は求められるスキルが大きく変わりました。スキルは使い方次第で、社会にとってプラスにもマイナスにもなります。そこで必要なのがリベラルアーツ(教養)です。ワオ高では自分の中に核を持ち、自分軸で考えるための「哲学」、エビデンスを持ち、理論的に考える「科学」、お金を動かして世の中を変える「経済」を必修としてります。
自分の好きなこと×学びで
自分の未来を作っていく
「未来方程式」
自分の未来を作っていく
「未来方程式」
Q.ワオ高の「未来方程式」とはどういうものですか?
山本 人は好きなことと学びを掛け合わせることで、ものすごいスピードで成長します。そもそも学びは楽しいもの。私は、英語が好きで幼い頃から英語の音楽を聴いたり、映画を観たり、漫画を読んだりしていましたが、中学・高校に上がると大人から「音楽を聴いている暇があれば勉強しなさい!」と怒られていました。しかし、英語の音楽を聴くことは学びの一環。切り離して考えるのもったいないですよね。ワオ高の生徒に、スペインにバレエ留学をしている子がいるのですが「若いうちはバレエダンサーとして活躍できても、いずれ舞台には立てなくなるから」とアントレプレナー(起業)コースで学んでいます。いつか舞台から降りた時に、バレエの素晴らしさを伝える仕事をするためです。好きなことを将来に繋げる学び、これが未来方程式です。
Q.哲学や起業など、まるで大学で学ぶ内容みたいですね。大学には進学せずに起業する生徒が多いのでしょうか?
山本 ワオ高はまだ開校して3年目。来年初めて卒業を送り出すので、進学実績はまだありませんが、進路調査をしたところ、約7割が大学進学、2割が専門学校、約1割が就職を希望しています。一般的な通信制高校の大学進学率は30%ほどなので、比較するとかなり高い割合が見込まれます。高校で起業する生徒もいますが、それは主に失敗を学ぶため。高校在学中に起業について学ぶことで、大学に進学してより深く学ぶことの重要性に気づくのです。データサイエンスコースも同じ。高校3年間でデータサイエンスについて学び資格取得のための勉強をします。資格を持っていれば大学の推薦を受けることが出来るし、大学でより深くデータサイエンスについて学ぶ事が出来るからです。高・大で合計7年間学び、資格を持っていれば卒業してもすぐ戦力になれるでしょう。しかし、データサイエンスについて学びたいという希望があるのに普通高校で必死に受験勉強をして、大学に入ってから学ぼうと思っても、せいぜい3年。触りだけ学んで、4年目からは就職活動です。
Q.専門的な科目が多いようですが、受験勉強は出来るのでしょうか?
山本 ワオ高の生徒が狙うのは、主に推薦や総合型選抜。共通テストのために5教科を平たく勉強するのではなく、ポートフォリオを作るための実績作りをすることが受験勉強です。とはいえ、ワオ高校の母体は塾。一般入試で受けるために個別指導アクシスに通っている生徒もいます。
学びに場所は関係ない
Q.最後に、沖縄の中高生、保護者の皆様へメッセージをお願いします。
山本 沖縄の生徒さん、保護者の方とは何度もお話していますが、皆さんとても教育熱心ですね。また、インターナショナルスクールが全国でも突出して多いせいか、良い意味で日本人離れした考え方を持っている方が多いように感じます。
これまで沖縄の方は進学や就職などで一度故郷を離れても戻ってくる人が多く、良い意味で地元にとても愛着を持っていますが、悪い意味で場所の制約を受けていました。でも、今は沖縄にいながら最先端の教育が受けられる時代です。住むところも学び方も自由に選択して、より良い未来を手に入れましょう。